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福島地方裁判所会津若松支部 平成10年(ヨ)10号 決定 1998年7月02日

債権者

鈴木一夫

債権者

的場敬

債権者

伊藤和好

債権者

小関弘治

債権者

上北康二

債権者

塩原清志

債権者

皆川泰夫

右七名代理人弁護士

鍛冶利秀

齊藤正俊

大堀有介

安藤裕規

安藤ヨイ子

大峰仁

債務者

本田金属技術株式会社

右代表者代表取締役

平野忠雄

右代理人弁護士

近藤丸人

主文

一  債権者らが債務者に対して、雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定める。

二  債務者は、債権者らに対し、平成一〇年四月一日から本案判決言渡しに至るまで、毎月二五日限り、各金二八万円を仮に支払え。

理由

第一当事者の求めた裁判

一  申立ての趣旨

1  主文第一項と同旨

2  債務者は、債権者らに対し、平成一〇年四月一日から本案判決確定に至るまで、毎月二五日限り、債権者鈴木一夫に対し金三三万一五八七円を、同的場敬に対し金三二万九七五一円を、同伊藤和好に対し金三八万六三八一円を、同小関弘治に対し金三九万八六五三円を、同上北康二に対し金三二万五二三八円を、同塩原清志に対し金三四万一九四五円を、同皆川泰夫に対し金三五万七八〇二円を、それぞれ仮に支払え。

二  申立ての趣旨に対する答弁

債権者らの申立てを却下する。

第二当事者の主張

一  申立ての理由

1  被保全権利

(一) 雇用契約の締結

(1) 債権者鈴木一夫(昭和二四年一月一六日生、以下「債権者鈴木」という。)は、昭和五六年八月一八日、債務者との間で雇用契約を締結し、以後債務者の喜多方工場において、自動車部品の製造に従事している。

(2) 債権者的場敬(昭和一八年五月三日生、以下「債権者的場」という。)は、昭和五六年一月一六日、債務者との間で雇用契約を締結し、以後債務者の喜多方工場において、自動車部品の製造に従事している。

(3) 債権者伊藤和好(昭和二三年四月五日生、以下「債権者伊藤」という。)は、昭和五一年九月二二日、債務者との間で雇用契約を締結し、以後債務者の喜多方工場において、自動車部品の製造に従事している。

(4) 債権者小関弘治(昭和一八年一二月二〇日生、以下「債権者小関」という。)は、昭和五五年三月一二日、債務者との間で雇用契約を締結し、以後債務者の喜多方工場において、自動車部品の製造に従事している。

(5) 債権者上北康二(昭和一六年一〇月五日生、以下「債権者上北」という。)は、昭和五六年一一月二六日、債務者との間で雇用契約を締結し、以後債務者の喜多方工場において、自動車部品の製造に従事している。

(6) 債権者塩原清志(昭和二二年一一月一二日生、以下「債権者塩原」という。)は、昭和五五年一月一六日、債務者との間で雇用契約を締結し、以後債務者の喜多方工場において、自動車部品の製造に従事している。

(7) 債権者皆川泰夫(昭和二二年一二月一二日生、以下「債権者皆川」という。)は、昭和五四年一二月二五日、債務者との間で雇用契約を締結し、以後債務者の喜多方工場において、自動車部品の製造に従事している。

(二) 解雇予告

債務者は、平成九年一〇月一〇日、債権者らを含む嘱託従業員に対し、「平成一〇年三月末日をもって嘱託社員全員を退社させる。ただし、平成九年一二月末に早期自主退社する場合は再就職支援金として一〇〇(ママ)万円を支払う。」と告げて、解雇の予告をした。

(三) 債権者らの雇用契約の性格

(1) 債権者らは、いずれも昭和五一年から同五六年にかけて臨時従業員として債務者に雇用され、その後二年ないし三年のうちに嘱託従業員となったものである。

(2) 債権者らを含む嘱託従業員については、形式的に「雇用期間一年」と定められたが、毎年四月一日付けで反復継続して雇用契約が更新され、自らの意思で辞める場合を除くと、債務者の都合で更新拒絶されたことはなかった。

すなわち、債権者らは、債務者との間で、嘱託従業員雇用契約書を作成したが、これらはいずれも、債務者の担当者が債権者らの署名を代筆し、印影も担当者が債権者らから印鑑を預かって押印して作成したものであり、契約更新時の押印についても、担当者が債権者らの出勤時にその印鑑を預かり、担当者が契約書に押印して、債権者らの退勤時に印鑑を返還するという方法で行っていたものである。

(3) 債務者は、平成八年四月から、嘱託従業員の雇用期間について一方的に三か月に短縮する旨通告したが、その後も嘱託従業員の雇用は三か月ごとに反復継続され、債務者が更新拒絶をすることはなかった。

(4) こうして、債権者らは、雇用契約の更新がなされ、勤続期間が長い債権者で二一年を超え、短い債権者でも一六年を超える長期間勤続している。

(5) 以上の事実によれば、債権者らについては、その雇用契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならないものといえ、このような場合は、いわゆる雇い止めによる更新拒絶は解雇と同視され、合理的な特段の事情がない限りは解雇権の濫用に該当し、許されない。

(四) 賃金額

(1) 各債権者が平成九年一〇月から一二月に債務者より受け取った賃金の額は別紙平均賃金明細書(一)記載のとおりであり、当月分の本給、皆精勤手当、通勤手当及び前月末日締めで計算した交代制勤務手当、時間外勤務手当、休日買上手当、深夜業手当を当月二五日に支払を受けていた。

(2) 各債権者が右期間内に受け取った賃金の平均額は右別紙(一)記載のとおりである。

したがって、債権者らは、平成一〇年四月一日以降も右平均額記載のとおりの賃金を受け取る権利を有する。

2  保全の必要性

(一) 債権者ら及びその家族は、債務者より受け取る賃金を生活の糧としており、債権者らの本件申立て時の年齢は、下は四九歳、上は五五歳となっている。したがって、債権者らが、このまま職場を離れると、直ちに生活に困窮し、本案判決で勝訴しても、回復し難い損害を被るおそれがある。

(二) また、被用者が雇用契約上有する権利は、賃金だけではなく、年次有給休暇、労働災害補償金、社会保障及び福利厚生施設利用権等を含むものであるので、これらを個々に確認するのではなく、一括して確認することで紛争を包括的に解決すべきである。

また、債権者らは、自動車部品のライン上の様々な作業に従事しているが、これらは他の従業員と組んでの流れ作業であり、熟練と慣れが必要かつ重要な作業であって、本案判決までの期間作業から離れてしまうと、再び職場に戻っても仕事のリズムを取り戻すことは困難になってしまう。

したがって、本件仮処分命令では、賃金の仮払だけではなく、雇用契約上の地位の確認もなされるべきである。

(三) よって、申立ての趣旨記載の仮処分命令を求める。

二  申立ての理由に対する認否

1  申立ての理由1の事実について

(一) (一)の事実のうち、(2)の債権者的場の雇用契約締結日は否認し(昭和五六年一月一六日ではなく同年一月二〇日である。)、その余の事実は認める。

(二) (二)の事実のうち、債務者が、債権者らに対し解雇予告したことは予備的に認める。後記のとおり、債務者は、債権者らとの雇用契約が期間の満了により終了したことを主位的に主張するものである。

(三) (三)(1)の事実は認める。

(四) (三)(2)の事実は否認する。

(1) 債務者に臨時従業員として雇用された者は、常に二年ないし三年で嘱託従業員となるものではない。債務者においては、臨時従業員も嘱託従業員も同じ短期の期間の定めのある雇用を前提としているものであり、債務者の状況と臨時従業員本人の勤務成績等を考慮し、ケースバイケースで嘱託従業員への登用を判断して実施してきたものである。

(2) また、債務者と臨時従業員及び嘱託従業員の雇用契約は、債権者主張のように「形式的に」締結されたものではない。

嘱託従業員という名称を使用しているが、臨時従業員、パート従業員及び期間(季節)従業員と同じ雇用契約書を用いているとおり、あくまで短期の期間の定めのある雇用を前提としたものである。

正規従業員の採用が、クレペリン検査(性格検査)及び常識テスト等の筆記テスト並びに面接等を実施するのに比べ、債権者らのような臨時、嘱託従業員は、短期の期間の定めのある雇用を前提としているので、簡単な面接と健康診断のみにより採用していた。

債務者は、嘱託従業員の場合、契約期間満了前に、新たな嘱託従業員契約を締結するに際し、臨時従業員、パート従業員及び期間従業員と全く同じく、新たな期間の都度、新たな期間契約の是非を検討し、雇用期間を明示した契約書正副二通に本人の印鑑を捺印させ、住所、氏名、生年月日を自署させ、その後債務者印を押捺し、被用者本人に契約書副本を交付している。

右のとおり、債務者においては、新たな雇用契約は、いずれも新たな契約を締結して行われているのであって、形式的なものではない。

(3) 債権者らと債務者との契約は、毎年四月になされているのではない。債務者が、最初に臨時従業員として雇用契約を締結する場合、臨時従業員として採用した日を起点に、それぞれの短期の契約期間が設定され、嘱託従業員に登用した場合も、その登用日を起点に、債権者債務者合意の上で短期の雇用期間をそれぞれ設定していたものである。

平成五年からいわゆるバブルが崩壊して不況となり、債務者もその影響を受け、大きな生産動向の変化に対応できなくなる可能性があったため、債権者一人一人に「来期の生産動向がわかる時点で新たな期間の定めのある雇用契約の締結の是非を検討できるようにしたい。」との趣旨を説明した上、債権者ら各人との合意により、平成六年から四月一日起算に統一したものである。

(五) (三)(3)の事実のうち、短期従業員の雇用期間が平成八年四月から三か月に短縮されたことは認め、その余の事実は否認する。

(六) (三)(4)は否認ないし争う。雇用契約期間の満了の都度、債権者と債務者双方が合意して短期雇用契約の締結をした結果に過ぎない。

(七) (三)(5)は争う。

(八) (四)の債権者らの平均賃金額は否認する。債務者は、債権者らに対し、平成一〇年一月から三月までの間、別紙平成(ママ)賃金明細書(二)記載の額の賃金を支払っており、平均賃金額も右別紙(二)の平均額欄記載の額である。

2  同2は否認ないし争う。債権者らが従事していた仕事は特に熟練を要するものではない。

三  債務者の主張

1  雇用契約期間の終了

(一) 債権者らと債務者との雇用契約は、いずれも平成一〇年三月三一日をもって、終了したものである。したがって、債務者による解雇の有無や解雇権の濫用にあたるか否かの点を論じるまでもない。

(二) 債務者は、平成一〇年三月末、債権者ら全員に再就職支援金を支払い、債権者らはこれを受領した。

(三) このことは、債権者らが債務者との間の雇用契約が(一)記載のとおり期間満了により終了したことを自認したことにほかならない。

2  整理解雇(仮定的主張)

(一) バブル経済の崩壊によって、債務者の喜多方工場において生産計画を変更しなければならない状況にあり、債務者には、債権者ら嘱託従業員を含む短期従業員の雇用を継続することが困難な状況にある。

(二) 債務者は、債権者ら短期従業員に対し、右事情を充分説明し、前記のとおり雇用期間を一年から三か月に短縮した上、希望退職者を募ったり、その再就職に尽力した。

(三) なお、債権者らにおける整理解雇の要件の判断は、喜多方工場単位で判断すべきであって、債務者会社全体を単位として判断すべきではない。

(四) 債務者は、債権者らに対し、平成九年一〇月一〇日、解雇予告の意思表示をした。

(五) よって、債務者と債権者らとの雇用契約は終了した。

四  債務者の主張に対する認否

1  債務者の主張1の(一)は否認ないし争い、(二)の事実のうち、債務者が債権者らの銀行口座に一方的に一〇万円の金員を振り込んだことは認め、金員の趣旨は争い、(三)の主張は争う。

2  同2の(一)ないし(三)は否認ないし争う。債務者による整理解雇は、判例上確立した四要件を充たさないものであって、解雇権の濫用ないし信義則違反にあたり無効である。

第三判断

一  本件雇用契約の性格について

申立ての理由一の(一)及び(三)(1)の事実は、(一)(2)の事実のうち債権者的場の雇用の日を除いて当事者間に争いがなく、右債権者的場の雇用の日は、(証拠略)により昭和五六年一月一六日と一応認めることができる。

右争いのない事実及び認定事実に、(証拠略)並びに審尋の結果によると、次の事実を一応認めることができる。

1  債権者らは、いずれも昭和五一年ないし昭和五六年ころ、債務者に臨時従業員として採用され、その後二年ないし三年で嘱託従業員に採用され、平成八年三月までは一年ごとに継続して雇用契約を継続され、平成八年四月以降は、債務者の通告で三か月ごとに契約が更新されるようになり、平成一〇年三月三一日まで継続して雇用契約を更新された。すなわち、債権者らは、債務者が雇用契約期間の終了を主張する平成一〇年三月三一日までの間、臨時従業員の間も含め、最も長い債権者伊藤では二一年六月、最も短い債権者上北でも一六年四月にわたって継続して債務者に雇用され、その他の債権者も一六年ないし一八年にわたって継続して雇用されていたものである。

2  そして、嘱託従業員としての雇用契約の締結は、毎年四月一日又は一〇月一日付けで行われ、その際、作成された各契約書は、第一項において「この契約書による甲(債務者を指す)の雇入れおよびこの勤務の主旨は甲の第 期の生産計画による増産に対応するためのものであり、一時的業務の解消を目的としたものであることを確認する。」と規定していたが、本件で提出された書証のいずれにも、その具体的「期」の年度は記入されておらず、一方、「雇用契約内容」と題された欄には、順に、契約日、雇用契約期間、賃金、各契約時捺印の欄があり、雇用契約期間の欄は、「昭和 年 月 日から昭和 年 月 日まで」と不動文字で記載されていて、空欄に具体的年月日を記入するのみとなっているところ、同欄は一二行ほどあり、一年間の雇用契約期間が経過しても、同じ契約書の次の行に、翌年度の年月日を記入することによって続けて使用できる体裁となっており、実際、債権者らは、同じ契約書で一回ないし六回ほど雇用契約を更新していた。右の体裁の契約書は、昭和六〇年ころまで使用され、その後は、各契約期間ごとに一枚の契約書が作成された。

3  債権者らは、債務者の喜多方工場において自動車部品製造に従事していたが、そこでは、正規従業員とともに一週間ずつの交代勤務(三交代)で製造ラインに配置され、残業や土曜、日曜に出勤して仕事をしたこともあり、また、正規従業員とともに、QC活動及びPM活動という職場での会合や報告も行っていた。

二  右一で認定した、平成八年三月まで続いた一年間という雇用契約期間の長さ、債権者らが実際に継続して雇用された期間、契約書の体裁、その他債務者における雇用の実状に照らすならば、債権者らと債務者との雇用契約は、期間の満了ごとに当然更新を重ねてあたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存続していたものといわなければならず、債務者が雇用契約の更新を拒絶することは、右のような契約を終了させるものといえるから、実質において解雇の意思表示にあたるものというべきであり、したがって、解雇に関する法理が類推されるべきものである。したがって、債務者の主張1(一)の雇用契約期間の終了の主張は採用できない。

なお、債務者は、同1の(二)及び(三)において、債権者らは、債務者が交付した再就職支援金を受領したので、契約期間が終了したことを自認した旨主張する。審尋の結果によると、債務者は、平成一〇年三月三一日ころ、各債権者の銀行口座に対し、一人当たり一〇万円の金員を振り込んだが、債権者らは、特に右金員の支払を求めたり、振込に同意したことはなく、その受領を拒否し、債務者に対し右金員を回収するよう求めている事実を一応認めることができる。こうした右金員交付の経緯に照らすならば、債権者らが債務者主張のように雇用契約期間が終了したことを認めているとは到底いい難い。

三  整理解雇の成否について

債務者は、債務者の主張2において、本件解雇が整理解雇として有効である旨主張する。しかし、債務者の提出した(証拠略)などを検討しても、最近の自動車業界の経営の厳しさ、今後の受注高の減少の見込み及び人員削減の計画などを述べるのみで、債務者の喜多方工場に限ってみても、現実の受注高の減少及びそれに伴って稼働従業員を削減する必要性があることを根拠づける具体的事実の疎明がなされていない。したがって、その余の点について判断するまでもなく、整理解雇の主張は採用できない。

四  右のとおり、債務者の主張はいずれも採用できないので、債権者らは、現在も債務者との間の雇用契約上の権利を有する地位にある。そして、(証拠略)によると、債権者らは、いずれも債務者より受け取る賃金をほぼ唯一の生活資金とし、妻や老齢の父母あるいは学齢期の子供などを養っており、その年齢などから転職することも困難である事実を一応認めることができる。したがって、保全の必要性を肯定できる。

五  賃金額

1  (証拠略)によれば、債権者らは、債務者より、平成九年一〇月から一二月までの期間、別紙平均賃金明細書(一)記載の賃金を受けていた事実を(ただし、債権者上北の平成九年一〇月分の賃金については、<証拠略>により、右明細書記載のもののほか、深夜業手当三万四八九五円の支給を受けていた事実が一応認められるので、同月の合計額は四二万〇四四一円となり、したがって、右期間の平均額は三三万六八六九円となる。)、(証拠略)によれば、債権者らは、債務者より、平成一〇年一月から三月までの期間、別紙平均賃金明細書(二)記載の賃金を受けていた事実を一応認めることができる。

2  右二つの期間の債権者らの賃金額を比較すると、後者は前者に比べ相当額減少していることがうかがえるが、(証拠略)並びに審尋の結果によると、債権者らは、平成一〇年一月の最終週より、債務者の指示で、それまで従事していた部品製造のラインを離れ、債権者鈴木、同的場、同伊藤及び同塩原については清掃業務に、債権者上北、同小関及び同皆川については平常業務で残業や休日出勤のない補助的業務にそれぞれ配置換えとなり、また、平成一〇年の年次有給休暇についても、債務者の指示で、一月から三月までの間に取得した事実を一応認めることができる。

右のとおり、債権者らの従事する職種及び稼働時間などは、債務者の指示で、平成一〇年一月以降変更を来し、これに伴って賃金額も減少したものと認められるところ、こうした変更をしたことの合理的理由の疎明もなされていないので、債権者らの平均賃金額を計算するにあたっては、平成九年一二月までの期間を基準とすべきである。

3  ただし、仮処分において仮払を命じる賃金額は、従前の賃金額そのものではなく、保全の必要が認められる範囲の金額に限定されるべきである。

そして、既に述べた債権者らの生活状況、従前の平均賃金額などの事情を考慮すると、債権者一人当たり月額二八万円の支払を相当と考える。なお、債権者らへの賃金の支払が毎月二五日になされていたことは当事者間に争いがない。

また、賃金の仮払を命じる期間についても、本案判決言渡しのときまでを相当と考える。

第四結論

以上の次第で、債権者らの申立ては主文掲記の限度で理由があるので、その限りで認容する。

(裁判長裁判官 木下徹信 裁判官 松田浩養 裁判官 福井健太)

<別紙> 平均賃金明細書(一)

申立人 鈴木一夫

<省略>

申立人 的場敬

<省略>

申立人 伊藤和好

<省略>

申立人 小関弘治

<省略>

申立人 上北康二

<省略>

申立人 塩原清志

<省略>

申立人 皆川泰男(ママ)

<省略>

<別紙> 平均賃金明細書(二)

申立人 鈴木一夫

<省略>

申立人 的場敬

<省略>

申立人 伊藤和好

<省略>

申立人 小関弘治

<省略>

申立人 上北康二

<省略>

申立人 塩原清志

<省略>

申立人 皆川泰男(ママ)

<省略>

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